教えてもらうこと、いろいろ

時々、がんサバイバーの方々の手記を読んだりしますが、克服された皆さんは実にパワフルです。これでは「がん細胞」も退散するだろうなと思います。

克服した人に共通することは、「生きたい」とただぼんやり思うのではなく、プライドも何もかも捨てて、「生きなければならない」とその理由を「明確」に持つようにすること!目標を先に先に持つこと!

最近読んだのは、ホノルルマラソンに、がん患者、ご家族、サポーターの方々と毎年参加されている杉浦貴之さんの本です。杉浦さんのまわりに人が集まる訳がわかるような気がします。教えてもらうことがいっぱいありました。

つんくさんの手記も読ませて頂きました。私も当初、声が嗄れて出なくなったので、咽喉のがんではないかと言われました。歌のおねえさんをやってファミリーコンサートのお仕事をたくさん頂き、大変忙しくさせていただいていた時期がありました。毎日歌いっぱなしで翌日コンサートなのに声が出ない。ただの風邪くらいなら、話す声はかれても歌う声は不思議と出るのですが、声帯を使いすぎて炎症している時はなかなか難しく、そういう時は仕方なく声帯に直接ステロイド注射を打ってもらっていました。あまり良くないそうですが、私のような仕事をしている者は声が出ないなんて通用しない、声が出なければ何もできない、何があっても、期待以上のステージをこなさなければならないので、先のことは考えず、身体に良くないことは承知で、応急処置をしてくれる耳鼻咽喉科の先生を頼りにしてしまうのです。つんくさんも同じだったそうです。しかし、がんのせいで声が出なくなるというのは、それまでの声帯の炎症とは全く別のもので、押しても引いても本当に出ないのです。内科2軒、耳鼻咽喉科も5軒行きましたし、あらゆることを試してみましたがダメでした。恐ろしい経験でした。血液のがんの初期はあまり自覚症状がないのでわかりにくいそうですが、声は私に教えてくれていたのです。寛解後に復帰したコンサートでも私の声は懸命に私に訴えていました。まさかとは思ったけれど、確かに‥。「まだ治っていないよ」と。

がんサバイバーの仲間たち。みんな同じような思いをした仲間なんだなぁと心強くなります。

これからもいろいろな方からいろいろなことを教えていただきながら、感謝しながら、自分の身体の声を聞きながら、乗り越えていきたいと思います。そして最初も再発の時も私に教えてくれていたこの声に感謝しながら、歌も歌い続けていきたいと思います。

ありがとう。

移植からもうすぐ3年半。もうだいぶ再発の確率は低くなったそうです。

 

 

圭以子

 

2 Comments

  1. 生命の危機のなかで人は一番大切なもの、本当の幸せをはっきりと知ることが出来るものなのだと思います
    僕はただそれを傍らで見ていただけですが実際に経験して這い上がった圭以子さんの言葉の重さとその心の強さに感動しています

    1. エドワード様
      いつもコメント残して下さってありがとうございます。
      心は、本当はあまり強くないかも知れません(笑)。強くないから、強い人に憧れます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です