私が懐かしの抒情歌を歌う理由

1ドル360円だったあの頃。
私達家族は「オールスター家族対抗歌合戦」という番組でグランドチャンピオンのご褒美として2週間のヨーロッパ旅行をさせて頂きました。

私は小学生、でも今のようにあの時代はヨーロッパ旅行なんてなかなか行けませんでした。学校の授業も大事だけれど海外の国を実際に見て感じるのは机の上よりも価値があると、私も学校を休んで連れて行ってもらいましたが、本当に素晴らしい体験でオランダのチーズ市のにおい、アイスクリームの甘さ、フランスの空の色‥‥今でも全てを鮮明に覚えています。
当時、その番組の審査員、NHKの朝のテレビ小説「エール」のモデルの古関裕而さんや「湯の町エレジー」の近江俊朗さん、そして私の師匠の立川清登さん。それからグランドチャンピオンになったいくつかのファミリーと大所帯での旅、それも素晴らしいルートとゴージャスなホテル‥。海外旅行が初めてだった私にとっては夢の国のようでした。オランダ、イタリア、スイス、ドイツ、フランス‥。

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この写真はスイスです。左にいらっしゃる黒いコートのダンディが古関裕而さんで真ん中にいるベージュのコートの小さな女の子が私。古関裕而さんは口数が少なくいつも笑顔で優しさがあふれている方でした。デッサンがお好きで、よく素敵な作品のおハガキを下さいました。
初めて「長崎の鐘」「イヨマンテの夜」を聴いた時は心が震えました。

私が懐かしの抒情歌を歌う理由。
それはその歌達を生み出し、歌い、守ってきた方々に育てて頂いたから。
あの名曲もこの名曲も、プライベートでも親しくして頂いた家族のような方々が守ってきた歌たち。
そんな、小さい時から身近にあった歌たち。
だから‥‥、特別な想いがあるのです。
あの頃いつも私はすごい方々に囲まれ育てて頂いた。
ありがたかった。
本当に感謝です。

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