薬剤耐性菌

薬剤耐性菌、ご存知ですか?抗生物質の投与し過ぎで薬剤が効かなくなる、これが今問題になっていていろいろなところで研究がされています

実は私も薬剤耐性になってしまい、大変な思いをしたことがあります。

悪性リンパ腫にかかり半年以上辛い抗がん剤で寛解しましたということはご存知の方もいらっしゃると思いますが、それから1年くらい過ぎたところで、身体に異変が起きました。頸部にボコッとシコリが出来たのです。しかも金属バットで殴られたような痛み。慌てて、それまで通っていた病院へ行きました。

悪性リンパ腫は確かに腫瘍が出来るが痛みがないのが特徴だと言われ、抗生物質と痛み止めをもらって帰宅しました。

その少し前に、声の調子が良くないので信頼している耳鼻咽喉科の先生に診ていただいたところ、声帯は問題ないけれど異常なリンパの腫れがあるので病院で要検査。数日後の経過観察の診察時にその旨を話しました。ちょうどその時は3カ月ぶりのPET検査の結果が出る日でした。結果はまさかの「左頸部にリンパの腫れ、再発の疑い」でした。しかし、担当の先生は「こういうことは良くあります。あなたは大丈夫ですよ。気にしなくて大丈夫だと思います」。不安と安心が自分の中でもよく解決できないまま帰宅。やっぱり不安でした。でも、あの教授先生が誤診をするわけないという気持ちで不安の気持ちを押し殺しました。

しかし、それから次々と痛みのある腫瘍が増え、発熱も毎日38.6度。度々、診察予約時間外に病院へ足を運びましたが、その度に別の抗生物質と痛み止め。いったい何種類の抗生物質を服用したでしょう。

それから数ヶ月、一日中寝ていてもう立っていられないほど体調は悪化していました。救急入院を何度も繰り返しました。しかし担当医は〝痛みのある腫瘍は再発ではない〟の繰り返し。ついに生検をして、調べようということになりました。その病院では横の連携がないので生検にもまた時間を要しました。結果は約束の2週間が経っても「まだなんです」。そしてまた1週間後。診察室には心理ケアの看護士さんが待機していました。結果はまさかの再発。「一刻も早く治療を始めて下さい。気がついてあげられなくてごめんなさい。初めての症例だったんです。」‥。という結果になるまで約半年間、あらゆる抗生物質治療が行われていました。医師から指示されれば患者は信じて、少しでも症状が改善すると願いながら服用を続けるでしょう。

その時、私は悪性リンパ腫再発に加え、抗生物質の乱用でメチシリン耐性黄色ぶどう球菌( M R S A )が増殖していました。もちろん、しばらく隔離状態でした。入院中でも全てとにかく後回し、生まれて初めて味わった差別感。

薬剤耐性菌が増えると、薬が効かないだけでなく、免疫力が弱っていると最悪の場合死に至ってしまうこともあるので、院内感染防止は厳重にしなければならないそうです。病気と共に消えて行きましたが、本当に恐ろしい経験でした。

 

偶然にも知り合いの博士がこの薬剤耐性菌の研究をしておりますが、とにかく予算が足りないといつも嘆いています。健康な時には病気に無関心だったりもします。もう少し国の予算が今、人が生きるために本当に必要なものにもう少し予算を使って下さることを願うばかりです。

2 Comments

  1. 大病をするとまるでドミノ倒しのようにいろいろな病いが襲いかかってくるものですね
    それにしても圭以子さんは本当に奇跡的に回復されたのですね

    私は妻の介護を通して間接的にではありましたけれど本当にたくさんのこを知り、気付かされました
    だからどんなに困難で不幸な出来事に出会っても、もしもそこから何かを掴んで立ち直れるならば、人生の中のどんなことも無駄でも無意味でもないのだと思います

    流されることなく、諦めることなくいつまでも変わらない圭以子さんでいてください

    1. エドワード様

      そうですね。今できることを一所懸命に悔いなく、頑張りましょう!

      いつもステキなコメントをありがとうございます。

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